Nowak先生、人間は「先天的」に協調的だという実験をする、の巻。Natureに連載持ってんじゃないかというくらいよく出てる。PGGで決断までの時間が短いと(直観的だと)協調的という実験。
さすが世界のトップランナーは違うなぁとしみじみしながら読む。
Rand, D. G., Greene, J. D., & Nowak, M. a. (2012). Spontaneous giving and calculated greed. Nature, 489(7416), 427–430. doi:10.1038/nature11467
人々はもともと利己的で、自身をコントロールすることで協調的にふるまうのか、もともと協調的なんだけど、合理的に考えることで利己的になるのか。
ということで実験をする。AmazonのAMTという労働市場を使うよ。普通に大学生使うより多様だし。
結果としては速く決断するとより協調的、また速い決断を強制するときのほうが遅く決断させるより協調的。
1.PGGをやる。決断時間を横軸に、協調率を縦軸にとると見事に右肩下がりになるよ。10秒で区切って検定しても有意。
2.今度は10秒以内に決めさせるグループと、10秒必ず待ってからのグループで比較する。ワンショットPD,繰り返しPD,繰り返しPGG、どれでも時間が短いほうが協調的。また、大学生相手にやってみても一貫している。また、被験者に相手の貢献度を予想させると急がせた群のほうが低く見積もっている。
3.続いてプライミングを使う。被験者は「直感でうまく行ったことか、よく考えて失敗したことを書く」グループと「直感で失敗したことか、よく考えて成功したことを書く」グループに分かれる。これがプライム。そしてワンショットPGG。これまた直感が良いことをプライムした組が協調的。
なぜか?著者曰く、人々は日常生活のコンテキストで直観を構築している。そして我々の日常生活では多くの関係が繰り返しだから、協調的な戦略が優位なことが多い。だから直観では協調的にふるまっている。しかしよく考えることで協調が有利でないことに気付けると選好がかわる。
このように人間は一貫した一つの社会的選好を持っていないことを考えると、より認知的に複雑な経済モデル、協調の進化モデルが必要でしょう。
またこれらの結果を基に考えると、協調は文化伝播やsocial learningの結果ではなくて「先天的」であり遺伝的なものに結びついていると言えるだろう。
そしてこの結果は子供を対象とした研究の結果とも一貫する。
組み合わせてみたいアイデアがあるけど、実験一緒にやってくれる人いないかな。
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