2014年7月31日木曜日

Moral assessment in indirect reciprocity


なんと10日もサボっていた。Webに晒してなければこのまま忙しいってことにして逃げてたところだ。

評価戦略に着目した間接互恵のざっくりとしたレビュー。今やってるやつがガッツリやられてたらどうしよう。ずいぶん前にダウンロードしたのを今更ながら読む。

Sigmund, K. (2011). Moral assessment in indirect reciprocity. Journal of Theoretical Biology, 299, 25–30. doi:10.1016/j.jtbi.2011.03.024

ジグモンド先生が間接互恵性について語るよ。間接互恵性論文をざっとレビューする。とくに評価戦略に注目する。

Givingゲームの間接互恵性について説明しつつ、Ohtsuki(2004)のリーディング8までざっと説明。で、いままではAll-C,All-D+ある戦略、というセットだったけど、たとえば、MILDとSTERN(ISとSDISCのことか?)が同時にいたらどうなるかっていうのは問題だ。リーディング8は、他の行動戦略に侵略されないことを示しているけど、他の評価戦略に侵入されないとは言っていない。

ALL-C,All-D,STERN,MILDでRDをやるとbistableになる(Uchida,Sigmund,2010)。でもこれは、完全情報(全員が全員のスコアを知っている)だけど、非現実的だ。ということで、スコア(i -> j)をアップデートできる確率qを導入した Uchida(2010)。これは情報の状態の重要性をqでコントロールできる素晴らしいモデルだぞ。

ただこれらは直近の履歴しか見てないという弱点がある。 Berger (forthcoming)は2期の記憶を持つモデルで、直近に対しては寛容という戦略がいいことを示した。 Suzuki and Akiyama (2007a,b) は大規模な集団において検討して面白いことをやってる。

ディスカッションでもう一度概観しますよ。間接互恵の研究は直接互恵の延長でやられてきた。でも人は直接互恵と間接互恵で別の戦略モジュールを持ってるわけではなさそうだ。

実験もいろいろやられているけど、人はどうやらファーストオーダーの評価しか使ってないようだ。どうやらhigh-orderな評価は認知的に厳しいらしい。

より広くとらえると、handicap principleでも説明できる。ということで間接互恵性は深いね、と。

ほとんどギリギリまで似てることはやられてるぽい。それなのに出てこないのはチャンスだからか、罠か。あとBergerの論文は探してみよう。Uchidaもマストですか。宿題ばかりが増える。

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