2014年7月10日木曜日

Would you mind if I get more? An experimental study of the envy game

ねたみは怖いよねという論文?最後通牒ゲームの変形をやって、受取側のパイの大きさが決まってる状況で提案者が選ぶ全体のパイの大きさによって行動が変わるか、と。え、えぐい。

ゲスい興味で読む。

Casal, S., Güth, W., Jia, M., & Ploner, M. (2012). Would you mind if I get more? An experimental study of the envy game. Journal of Economic Behavior & Organization, 84(3), 857–865. doi:10.1016/j.jebo.2012.10.008

最後通牒ゲームをいろいろなセッティングでやるというもの。xが提案者でyが受取側。元の資金がπで、分配額がk。

Vタイプ:yが拒否しても、xはπ-k、yはkを受け取る。(怒りだけを表明)
Iタイプ:yが拒否しても、xはπ-k、yはゼロ。
Pタイプ:yが拒否したらxはゼロ。yは拒否するかどうかにかかわらずk
Uタイプ:通常の最後通牒、受けとたら x=π-k、y=k。拒否したら両方ともゼロ。

128人の被験者をランダムでペアにして、2ラウンドおこなう。V→I、I→V、P→U、U→Pがそれぞれ32組。特徴的なのはここ、xはπを選べる(8~24ユーロ)。そしてkは固定=6ユーロ。情報を増やすために、実際の実験とは別にyはそれぞれのπの大きさの時にどうするかの答える(アンケート)。

要するに、yとしては受け取れる額は6ユーロ固定だが、xがたくさん取ろうとしたらどうするか、と。

1.PとU(つまりは相手を罰せるとき)ではxの選ぶπが大きくなるほど拒否率が上がる。
2.でも実際にはXはほとんど最大値(=24)のπを選んでる。
3.結局Pタイプではxの利得は低くなっている。

妬みは競争下でペイオフのトレードオフでおこると言われている(ケーキをたくさん取られたとか)。しかし部分的には競争環境になっていない状況でもおこっているよ。

似た様なセッティング(kは固定じゃなかった記憶だけど)を山岸先生達がやってたような気がするけど、比較されてないから違いがよくわからなかった。SVOも似た様なものを測っているのかな。でもそれにも触れてなかった。

成功した人を叩くのは人間の性。ゲスい興味は満たされた。

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